短期の観光旅行でサパに訪れたならば、名物のサーモンや黒い鶏肉などを高級レストランで愉しめば良い。朝食はホテルのビッフェでベトナムコーヒーとトーストを食せば良い。
しかし、この地には「避暑」に来ただけであって、観光客向けのレストランはもちろん、各地にある入場料がかかる少数民族の村や景色を見るだけの丘や山には一切興味がない。
しかしながら、飯は食わねばならぬ。日本人だからといって武士は食わねど高楊枝というわけにはいかない。
サパの中心部は観光客向けの店が集まっており、おのずと料金もそれに合わせている。普通は少し離れると物価が安くなるんだけど、この街は少し離れると山と棚田しかない。よってローカル店を見つける難易度が高い。
ある日ふらりと歩いているとモン族のおばちゃんに声をかけられた。「この辺に安い食堂ない?」と聞いたら連れて行ってくれた。物売りなので何かしつこく買わされるのかと思いきや無料でミサンガ?的なものをくれて去っていった。惚れても無駄だぜモンちゃん
ご紹介する、そのローカル食堂は中心街の真ん中に位置するにもかかわらず非常に見つけにくい場所にある。通りの一段下がった窪地通り(説明しづらい)にあって、看板もなければ店の名前もない。当然Googleマップにも乗ってない。
通りから見るとこんな感じ。青い屋根のお店。名付けるとしたら「青い屋根のローカル食堂」そのままです
階段を降りて店にたどり着く
名前も看板もない。知る人ぞ知る以前のブッカオ名無し食堂みたい
家族経営っぽい。きれいなお姉さんが中心に切り盛りしてる。
お客さんは地元民やモン族のおばちゃんばかり。観光客は皆無。Googleマップに乗ってないし見つけにくいので当然穴場だ。こういう店は外さない。朝と夕方は混み合います
肝心のメニューは所謂「ぶっかけ飯」コムビンザンとフォーの2種類のみ
そして、比較的物価の高いサパにおいて、そのどちらも30k₫(約180円)とローカル価格。
安いだけでなくボリュームも満点のフォー(ブンかも?)
大袈裟じゃなくてこの価格のフォーの中では今までで一番美味い。スープにもしっかり出汁がでていて、ボリュームも凄い。少食の人だと完食するのがしんどいかも。
乗っているお肉は粗挽きひき肉を固めてローストしたみたいな・・謎肉。ハンバーグのような粗挽きソーセージのような。でも旨い。うまけりゃ何肉でも良い
麺は細麺の米粉麺で冷や麦のような食感。この地においてこの値段なら文句なしです。他のレストランだとフォーは50k₫(約300円)以上が多かった
ぶっかけ飯「コムビンザン」
注文の仕方は指差しでOK基本ライス&おかず3品とスープ付き
味に関しては正直普通。ボリュームは大盛り。だがしかし、サパ市街ど真ん中でこれが30k₫(約180円)で食べられるだけで嬉しい限り。スープは旨いです(おかわり自由)
更にうれしいのがビアハノイが15k₫(約90円)店の奥の冷蔵庫から勝手に取って飲んでよし。これも名無し食堂みたい。ミニマートで売っている価格と大差ない
酒飲み歓喜!おかずだけ頼んでビール飲んでベトナム焼酎持ち込んだらパーフェクト。
場所と時間
多分だけど朝7時位から営業開始、フォーは終日、ぶっかけ飯は夕方5時位から準備されます
この店、サパの滞在中、何度も通いました。グーグルマップに新規登録しようかとも思ったけど、オーナーさんも多分地元のお客さんを大切にしたいからあえて乗せてないんだと推測して止めました
サパの街で貧乏沈没生活をする日本人など、ほとんどいないだろうが節約旅の同士にシェアします。おすすめです
追記 すぐ近くにGoogleマップ記載済の同価格フォー屋さんも見つけました。食べ比べてみてください。スープの味はこちらの勝ちかと。30k₫です。