約2週間のフィリピン滞在を終え、マレーシア・コタキナバルへの移動日を迎えた。
いつもマニラの最終日は岩盤浴サウナの「ラセマ」と決めている
これまでの旅の垢をすっかり落として1ヶ月振りの湯船を堪能。身支度を整えて空港行きのGrabタクシーを呼ぶことに。
しかし、誤算だった。その日は金曜日の夜で何度リトライしても全くブッキングできない。これは困ったとスパの受付スタッフに相談すると、バイタクアプリ(アンカスってアプリだけどフィリピンの電話番号がないと使えない)で呼んでくれるとのこと。こちらはバックパック1つの身。バイタクで十分だ。有り難いとお願いするも、こちらも全く捕まらない。
仕方無しにLRTを使って空港に向かうことにした。トータルで2kmほど歩くことになるが仕方ない。
トボトボとマニラの夜道というスリリングな道中を歩いていると、突然の豪雨に見舞われる。最寄り民家の軒下に避難するが雨量が凄すぎて足元からびしょ濡れになってくる。
いよいよどうしようかと途方に暮れるが突っ立っていても埒が明かない。とりあえず片っ端から流しのタクシーに手を上げて、トライシクルにも声をかける。すると1台の見るからにローカルなトライシクルが停車。あまり英語が通じなかったし、空港まで500ペソとなかなかの値段を提示された。(Glabなら300ペソ位)
が、背に腹は代えられない。渋々承諾してサイドカーに乗り込もむ。一応屋根も付いているが豪雨で座席内にも雨が降り注ぎ、もう折角のサウナでさっぱりした身体も台無しである。
一応グーグルマップとにらめっこしながら確認しつつ進んでいくと見当違いの方向に進んでいく。聞くと本人云わく「モーターサイクルロード」なのだそうだ。渋滞を避けて裏道を使ってくれているらしい。とりあえず方向は空港に向かっているので安心していると、なにやら雲行きが怪しくなってきた。行き交う同業者に何度も道を訪ねているじゃないか。もしかして迷ってるのか?いや完全に迷っていた。プロが空港までの道迷うなよ・・
しかし、土砂降りの雨だし夜間のマニラで得体のしれない所で降りるわけにも行かない。途中ショートカットをするのに歩道に乗り上げようとするのだが、バイクのパワーが足りずに降りて押すのを手伝ったり、何度もエンストしたりと、ちょっとしたアドベンチャー体験でなんとか空港まで後1.5キロ迄たどり着いた矢先。
「もうここまでだ降りろ」と停車する。これ以上入れないとか何を言っているかは意味不明。納得行かないが、ここからならなんとか歩ける距離だ。雨も小雨になってきたし仕方無しに渋々下車する。きっちり料金は取られました
その後グーグルマップを頼りに空港へ歩いていくと、道が増水で川になってる。進めなかった理由はこれか?すれ違う人に空港方向を聞くと「危ないから戻ってタクシー捕まえたほうがいいよ」と。
いやそれが捕まらないから今ここにいるんですけど・・・当然スニーカの中まで水浸しだ。そして、また再度の豪雨。コンビニの軒下へ避難するが全く止む気配がない。刻々とフライト時間が迫ってくる。
試される日本人中年男の胆力
ここで思い出した。日本を出るときも梅雨入り間近で小雨が降っていたので、バックパックの中に普段は持ち歩かない小さい折畳み傘を入れていたはず。
あった!取り出して雨の中、空港方向に進む。豪雨にはあまり役に立たない小さな傘だし、もう全身びしょ濡れでなんだか段々開き直ってきた。もういくらでも濡れてくれと・・
すると何故か見覚えのある景色が目に入る。「あっ!2週間ほど前マカオからのボラカイに行く途中空港の近くに一泊した時にみた景色だ」てっきり空港の反対側だと思い込んでいたけど、その時と同じエリアにいることに気がついた。グーグルマップでは遠回りのルートで残り1キロ以上を示していたが、駐車場からショートカットするルートは経験済。助かった…そこから300メートル程でマニラ空港Terminal3へなんとかたどり着いた。
これでもう大丈夫と思って思わず小さくガッツポーズを作ったが、そうは問屋が卸さなかった。
ずぶ濡れの身体でギリギリチェックインを済ますと、出国検査に驚くほどの行列。冷えた身体で40分かけて何とかくぐり抜けて制限区域へ。一息ついてふと見るとスマホにメールに通知がある。
ご予約の便に変更がありましたと。
出たよ〜嫌な予感。以前にも何度か経験のある恒例の直前遅延のお知らせ。しかし、乗り継ぎがあるわけじゃないのでドンと構えて待とうと腹をくくる。こっちは昨日今日の初心者旅行者じゃないんだと自分に言い聞かせる。しかし、フライト予定の電光掲示板は変化なしで通常のまま。ネットでエアアジアのHPを探してもフライトの更新情報がまったく無い。「早急にご確認ください」って何処の誰に確認したらいいかも教えてくれ。
何時どのゲートから飛ぶのか分からないので、ラウンジでシャワーを浴びてのんびり待つのが難しくなった。
とりあえず濡れたままフライト予定20分前に指定のゲートへ向うも、エアアジアのスタッフは何処にも見当たらない。他の職員誰に聞いても、皆違う答えが返ってくる。荷物検査付近にいたカスタマーサポートらしきスタッフも「しらん、自分で探せ」と冷たい答え。
とにかく歩き回ってエアアジアのCAを見つけて聞いてみる。遅延情報はスタッフも分からないから自分で流れるアナウンスを聞いてくれとのこと。
大体この空港にはフライト掲示板が一番端に1つしか無い。せめて中央に作ってくれ。更にインフォメーションカウンターすら無い。いつ来るかわからない飛行機のアナウンスを耳を澄ませて待ち続けなければならない。英語のヒアリングが出来なければお手上げ。何が首都のインターナショナルエアポートだよ。フィリピン空港噂に違わずだ。
当然ラウンジにもフライト予定掲示板が無い。受付のお姉さんも自分で調べてねって。ホスピタリティという概念がない自己責任プレイ空港
びしょ濡れの身体で途方に暮れる空港内の冷房が寒いし…余計苛つく。なんかもう、今日乗れなくても死ぬわけじゃないし、もうどうにでもなれとヤケになってきた。本日2度めのヤケである
いや、逃げちゃだめだ!もう一度違うCAに質問すると、自分たちも分からないから待機してると。そして一緒に隣で待っていていいよ、連絡が来たら教えてあげるとの対応。言い方は冷たい感じだったけど地獄に仏。
そしてそれから待つこと1時間。ようやくスゴスゴと彼らに着いていくことに。(1時間あったらシャワー浴びれたが後の祭り)やっと始まった搭乗案内に胸を撫で下ろす。ここまでSPAを出発してから計5時間。(通常なら1時間半)ずぶ濡れの服もすっかり乾いてきたが靴の中はまだグチョグチョ。不快極まりない(サンダルに履き替えれば良いだけだったんだけど、なんか判断能力奪われてました)
慣れのせいか余裕カマしていた所にフィリピンの洗礼を浴びました。せめてもの救いはラウンジでのんびりしようとかなり余裕を持って予定を立てていたこと。
しかしながら、後から考えたらただの週末渋滞と東南アジアでは当たり前の突発豪雨と水没道路。そしてよくあるLCCの遅延となんてこと無い出来事なんだけど、完全に油断してました。ネットさえあればいくらでもタクシーは捕まるし遅延情報も手に入るとネット頼みの慢心が裏目に出たかたち。
そして、深夜にコタキナバルに到着して空港カプセルホテルにチェックイン(本当は数時間空港内ベンチで野宿する予定だったが、もう耐えられなかった)雑踏のマニラに比べてたどり着いた翌日のマレーシア・コタキナバルの、のんびりとしつつも整然とした雰囲気の安心感足るやいなや。まぁとりあえず無事到着です
多分時間が経てばいい思い出になるだろうし、今後の教訓にしたいと思います。フィリピンの洗礼、油断大敵。