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【FIRE】を目指すということは戦いである

雑記

今回は「超氷河期」と呼ばれる時代のスタートに社会に飛び出した40代世代目線から早期リタイアについて考察してみたい

時代におけるリタイアの定義の変化

ここ数年「FIRE」という言葉がネット上で飛び交っている。

今更その説明は省くが、自分が子供の頃「引退生活」というと、まさに老後に訪れるいわゆる「隠居」生活のことだった。

一番イメージするのは「水戸黄門」

通り名は「ご隠居さん」である。

読んで時のごとく現役を離れ表舞台から隠れて居住する老人のこと。

徳川家の人のことはよくわからないけど、一般的には社会や家族のために十分働いて年老いた老人が残りの余生をのんびりと過ごすことを感謝と慰労を兼ねて家族や地域が敬う最後の数年間という人生のフィナーレだった。

そして経済的自立とは親から独立することを指していて一般的な社会的義務としての労働を放棄して好きなように生きることではなかった。(一部の若き天才や相続などで有り余る資産を手に入れた人は別ですが)

子供たちが憧れるのは、スポーツ選手や芸能人、医者や弁護士など才能と多大なる努力の上で社会的成功を収めた結果名声を得て裕福な暮らしをしている大人達だった。

決して、GAFAや米国株高配当インデックスに投資して配当で生活費を賄いたいという大人ではなかったし、バイトをしながら何年もオーディションや賞レースを勝ち抜くために生活苦を経てやっとテレビに出る芸人などをよそ目に最短距離でSNSでスターにのし上がろうという発想もそんなインフルエンサーを小学生が夢見るような環境もなかったと思う。(ネットの普及も大きな要因だけど)

 

なぜなら1970年代生まれの僕らが子供の頃には将来に対する「夢」があったからだ。

高度成長期を経た「バブル経済」のなか幼少期を過ごした世代だ。

一家に一台夢のマイカーが一人一台になり、2000万で買ったマンションがあっという間に8000万の値をつける。

テレビを点ければ田舎から出てきたばかりの新卒サラリーマンが東京タワーの観える部屋に住み、いつでもタクシーで帰宅するキラキラしたドラマを見て育った。

小学生だった当時、自分の父親は「これからは日本が世界を支配する」って飲みながら宣ってた。

嘘だった。

責めるわけではない。

先のことなんて誰にもわからない。

しかし、そんな幼少期から青春期を過ごして、大人になった途端ご存知「超氷河期」の始まりである。

世間はその氷河期を評して「失われた20年や30年」と揶揄した。

20歳から氷河期ならまだ若い。途中でやり方を変えるべきなのだが、変化より持続が大切な時代の大人たちの過去の価値観に育てられた僕らが変わるのは簡単ではなかった。

とはいえ、Windows95が発売されてインターネットが世界を変えていく過渡期に学生だった優位性を生かして不況の中でもネット長者なる成功者が現れマスコミを賑わした。しかしながら、その裏で少なくない同世代が時代の波に抗えず保証のない派遣労働で食いつなぐ生活を余儀なくされた。

「派遣村の炊き出し」初めて見た貧富の差の始まりだった。

資本階級への転換

今、先進国の若者たちがそんな過去の価値観から舵を切り、生きるためだけに働くという生活に疑問を持ち経済的自立を早期に達成してリタイアするというムーブメントが起きている。

日本に関して言えば氷河期世代の僕らをみて若者たちが気づいたのかもしれない。

「あんな負け組にはなりたくない」と・・

要するに「働きたくないでござる」ってこと(働くにしても生活のためでなく趣味程度や小遣い稼ぎ程度で働き生活に困らないのが現代の勝ち組と)

経済的自由を勝ち取る、すなわち人生の自由を手に入れるということ

 

異論はない。自分もできることなら働きたくない。しかし、ここで少し疑問が生じる

例えばその働かずに生活ができる財源をどこから手に入れるか?いわゆる不労所得。

一番容易に想像がつくのが株の配当や不動産の収益などである。

株の配当に限って言えば、一生懸命日夜働いている会社員などが稼ぎ出した利益を分配してもらうということであり、不動産の賃貸収益もテナントや居住者が働いて稼いだお金を賃料として頂くわけだ。(借り入れをして返済と収益がギリギリの不動産運用をしている人などは少し違うかもだけど)

ということは、必ず少数の投資家や資本家がいて、労働者の時間と労力をを切り売りした利益を搾取される多数のプロレタリアートがいるということ。

その構図は大昔から変わらない。

何が言いたいかというと不労所得を得るFIREとは結局労働者階級から資本家への転換ということだ。しかも若くして。ただ単純ににお金を貯めるということではない。

令和の時代になっても結局、資本主義近代社会の問題はこれに尽きるとも言える。富の集中や機会不均等の問題である。

なぜそれが常の問題なのか?

問題の原点は、ピケティの法則でもお馴染みの資本収益率を経済成長率は超えられないということである。

更にに言うと貧乏(生活費≧給料)から脱却するには資本家になるしかないという考えは実はとてもシビアな考え方でもある。自分が資本家になるということは資本を武器に労働者から富を奪い取る側に回りたいということでもある。

自分が寝てる間に金が増えるということは、誰かの金が減っているということだ。それが資本家同士のマネーゲームならいざ知らず、必ずしもそうでないことも想像することは難しくはない。

月5万円で生活しようが、50万円だろうが働かずに収益を得たいということは結局そういうことである。

例えば奴隷解放運動は奴隷制度を廃止しようという「すべての人が平等」にということだけど権利収入などで生活することを目指すってことは奪い取る側に回りたいということだ

では、多くの早期リタイア志望の若者が資本家になったとしたら、誰が労働力を提供するのだろうか?

それは資本を持たない世に出たばかりの更に若い人か、ゲームに負けた敗者、そしていつまでも無知な人たち(教育機会に恵まれない人も含め)である。

結局、氷河期世代を苦しめた時代の貧富の差を容認する枠組みを作った大人たちや自分たちは既得権益にしがみつき若者の未来はそっちのけで老人の票田や大企業の利益などを貪った権力者、俗に言う「政財官の癒着」ではないけれどアチラ側に入りたいということではないのかとも思える。

だからこそ、これからそこを目指すには奪う側に回る相応の覚悟が必要だ。

独立が一番の近道

何を持って正解とするかは個人の自由判断という事を前提に話します。

自由な働き方を選択するということではなく、あくまでも「働かない」というスタイルを目指す話です。

それを実現するために労働者から資本家側に回るということは並大抵のことではない。今の社会システムではこれからも持てるものと持たざるものの差は開く一方だと思う。

僕の考えでは老後の不安を解消するためにインデックス投資にコツコツと投資するのは正解だと思う。(複利の効果は誰もが認めるところだしね)しかし若くしてリタイア生活を目指すのであれば多くの人にとってこれでは不十分だ。

やはり20代、少なくとも30代前半には最短距離で資本を稼ぐことが不可欠かと考える。

経験上結論はやはりお勤めをしながらの副業や投資ではなく「独立」一択。

そして自分の会社に資金と人的資源を全ツッパ。要するに自分の才能にオールインが最短距離

株で例えるなら資本がないほど分散投資よりも集中投資が最短距離ってところ。

「そんなの難しい」

そのとうり。労働者側から資本家側に回るというのは相当難しいことなのだ。

その権利を勝ち取るという作業は大昔からときには武器を取り血を流して政府や地主と戦ってきた庶民の歴史を鑑みてもyoutubeやブログなどで散見されるような「これさえやっとけば大丈夫」なんて生易しいことではない。

運と実力を兼ね備えた人間だけが奴隷側から貴族側へ、農民側から大名側へジョブチェンジできるのだ。

とても難しい事だから「誰でも簡単にできますよ〜」と謳う書籍やチャンネルがもてはやされる。簡単ではない。

(簡単ではないということを強調したいのであって、金融や資産運用の知識を広げるためにネットや書籍で勉強することは、とても有益でそれ自体を否定するものではありません。なぜ独立かに関してはまた別記事を作る予定です)

 

これから早期リタイアを実現して趣味に没頭したい方、自分のペースで週に4時間だけ働きたい方、ビーチリゾートで毎日昼からカクテルを飲みたい方

聞いてほしい。経済的自由の獲得とは結局は経済的な競争を勝ち抜くことだ。

毎日汗水流して働いて社会を支えている労働者からの分け前をゴロゴロソファーでスマホをいじりながらかすめ取ること。結局は定量がある資本の奪い合いである。(最近はコロナ対策で世界中でお金をバラ撒いているけど結局はどこかで帳尻を合わせざるを得ないはず。MMTとかは僕の頭では難しいので割愛)

それに向かうということは自由を勝ち取る戦いなんだと思う。お金からの奴隷解放運動ともいえる。

これが早期リタイアの現実だということを心に留めて、それでもできればその自由をこれからの若者に勝ち取って欲しい。

20代ならまずは独立(それに準ずる挑戦と自己投資)血の滲むような努力。そして

運。

上手く行かなくても必ず経験として人生の糧になるし、いざとなれば借金なんてチャラにできる。コツコツ老後にインデックス投資はそれからでも十分間に合うと思う。

さらに言えばマイホームや車なんて全部後回しで良い。とにかく目標の資産を作ることそして資本家側に回ることに全力で向かうべきだと考えます。

その努力の先にある世界についてや経緯の話は下記の関連記事など良ければ御覧ください。

まとめ

しつこいけど、優雅な早期リタイアなんてそんな簡単なものじゃないしパイの奪い合いで戦いであるということ。働かずに湧いて出るお金なんてない。戦いに勝って(もしくはそのシステムを手に入れること)持たざるものの労力とお金を奪う。それが資本家側に回るということ。それがマネーマシンの本質。

もちろん、これは社会生活が息苦しくて立ち行かない若者が会社を辞めて節約しながら別の道を模索するというリタイアとは違う観点で話しているしそれを否定するものではないので念の為。

それでも、考えるのを止めてしまい限りある時間を生活するためだけに消費して気がついたら人生が終わってたって事にならないようにFIREへチャレンジすることを全面的に支持します。もちろんアプローチは変われど若者以外の方々へも同様です。

コロナ後の荒波に立ち向かう若者に対してバブル崩壊後の荒波を超えてきた先輩からのメッセージです。

そんな僕は今日もコンビニのレモンサワーに100円の氷を買い足すか毎日頭を悩ます氷河期の40代ですが元気に生きてます。

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